- 成形
- 組立
- IoT
- 製造進捗
事例ダイジェスト
導入の効果
• IoT活用により、成形機の稼働時間、ショット数など、正確な実績データ収集を実現
• 正確な情報をもとにした生産計画を定時内に立案することを実現
• リアルタイムな装置稼働状態監視により、トラブルの早期発見、装置稼働率の向上を実現
• 現場の情報がリアルタイムにデータ化され、カイゼンのPDCAをショートスパンで実現
導入背景
ビューテックでは、設備稼働状況把握を目標に実績班長を導入。IoTによる装置からのリアルタイムな情報取得に取り組み、問題発生時の原因分析や精度の高い報告を実現しています。
導入機能
導入前の課題
• 作業終了後に人が日報を手書きするため、情報の精度にバラつきがあった
• 定時後に管理者が日報を回収し、Excel入力することで進捗把握していた
• 直接現場に見に行かないと装置の稼働状況が把握できないため、中断時間が長かった
• 現場の情報共有に時間がかかっているため、不具合の原因究明が進まなかった
• 生産計画を自動且つリアルタイムに現場反映
• 成形機の製造実績をIoTで収集
• 組立工程の製造実績をタブレット+バーコードで簡単に収集
• 製造進捗を大型モニタでリアルタイムに進捗管理
• 稼働率、可働率の監視や各種KPI表示

導入の経緯
「設備の稼働状況を知りたい」というのが、システム導入検討のきっかけでした。これまで、成形機などは直接現場まで機械を見に行かないと、状態が分かりませんでした。事務所にいながら、設備の生産進捗状況、停止状態や稼働状況をモニタで見えるようにならないか、また、夜勤の時間帯の稼働状況も見えるようにしたい、と思案していました。そこで、該当するシステムがないかWEBで検索していたところ、テクノシステムが検索の上位に表示されており、ニーズにもマッチしており、なにより所在地が近いので直ぐにコンタクトをとりました。テクノシステムのHPから問い合わせをしたところ、営業の方がすぐに来てくれ、実際にどういうシステムなのかをご説明いただきました。話を進めていくうちに、こちらの希望通りの機能が実現できそうだと思うのと同時に、別のところで挙がっていた「組立工程の実績も取りたい」という要望もかないそうだと思い、「よし、これで行こう!」と実績班長導入を決断するに至りました。他メーカーのシステムも検討はしていたのですが、実績班長は、こちらの理想に近い形でシステムが実現できそうだなと感じたのと、営業やエンジニアの方のスピーディーなご提案や回答に納得できたところも選定の大きな要因となりました。
導入のポイント
現場に使ってもらえるシステムを目指して
システムを導入するにあたって一番気にしていたポイントは、「複雑にしたくない」ということでした。現場に拒否反応を起こさせるのだけは防ぎたいと思い、タブレットの使い方やバーコードの読み取り精度など、「簡単」で「間違いのない」方法での運用を目指しました。導入当初は、戸惑いや抵抗感もあり、またネットワーク障害もあったりと、やる気を引き出すのに苦労もありましたが、数か月後にはすっかり運用が定着してきました。今回導入にあたって、使用機器も多様な感性を持つ現代に合ったツールや端末を提案いただいたことも、現場に受け入れられることのできた一つの理由だと思います。

導入の効果
鮮度の高い情報の活用
稼働率の向上
システムの導入後は、稼働時間がリアルタイムに見えるようになりました。事象の後追いもできるようになり、その時現場でなにが起きていたのか?データに基づいたチェックができるようになりました。朝礼で前日発生した問題に対し、精度の高い報告ができるようになりました。
改善活動
これまでは、紙の日報を使用していたため、それを入力しデジタル化して確認して対策をするまでに1週間ほどの時間がかかっていました。1週間もすると、問題発生時の記憶もあいまいになり、正確な対処ができない、ということもありましたが、実績班長では問題発生の状況をリアルタイムに掴めるので、その対策がとてもスピーディーにできるようになりました。タブレットでの日報管理を行っているため、ペーパーレス化も進めることもできたので、これは当初思い描いていなかった良い効果でした。
品質の向上
不良品の発生についても現場でリアルタイムに登録しているので、翌日には前日分の発生状況を確認できるようになりました。発生した様々な要因に対してすぐに対策を施すことが出来るため、結果として以前に比べ、良品率が格段に上がっています。歩留以外にもこれまで、グレーゾーンだったところも数字として表れるので、今後もきちんと継続して運用できるシステムだと思います。
意識の高まり
製造実績をデータ化していくことにより、「生産性の低い・高い」が一目で分かるようになったので、製品ごと、機械ごと、担当者ごとの生産に関する評価ができるようになりました。これまで、サイクルタイムなどはだいたいで計算していたのですが、計測範囲が細分化され、さらにより正確な数値をもとにした計算ができるようになり、調整やトライなど、各作業ごとの時間が分かりやすくなりました。
作業標準時間の目安をモニターで色別に表示をしているので、それが現場のペースメーカーになっています。また、その運用が定着するにつれて、現場作業員のサイクルタイムに対する意識が高まってきているのを感じます。外国人の作業員の方にも分かりやすく設計されているので、計画に対して「勝った」「負けた」を気にしている様子が見られますし、残業時間についても、少しの差でも予定と実績の差異を気にするようになっており、これまで望んでいた環境にだんだん近づいてきていると実感しています。

もともと設置してあったKPIボードにも、あらゆる角度から分析された、正確な情報が貼り出されるようになり、管理者の意識向上も感じられます。まだまだ、多くのカイゼン項目を抱えていると思いますが、我々の思いに合致しているシステムができたと満足しています。直近の課題では、中間品、完成品在庫の見える化がありますが、今期導入に向けて検討を開始しています。その他にも、収集した実績データは利用価値の高いものですので、今後は、実績班長の機能を拡充して、現場のカイゼン活動に積極的に利用していきたいと考えています。