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COLUMN実績班長のコラム

2023.03.16

IoTセンサーとは?種類ごとの特徴や活用事例をわかりやすく紹介

IoTは現在、生産性や利便性の向上、管理・保守の強化などの目的で、多くの分野・業界で活用されています。 そんなIoTの仕組みを実現する上で欠かせないのが「IoTセンサー」です。

今回は、どの業界に携わっていても知っておくべき「IoTセンサー」について、種類別に詳しく解説。業界ごとの活用事例や、工場をIoT化し、一括管理することができるシステム「実績班長」もご紹介します。

IoTセンサーとは

IoTセンサーとは、インターネット接続によって、データを収集・管理するセンサーを指します。

例えば、製造業においては生産ラインのデータ蓄積・分析、遠隔地からの設備の稼働状況を監視・点検などに活用されています。

この他、冷暖房の温度や照明の明るさの自動調整、高齢者や子供の見守り、オンライン診療など、分野を問わず様々なシーンで、IoTセンサーが活用されているのです。

IoTの仕組みとセンサーの関係性

IoT(Internet of Things=モノのインターネット)について、情報通信白書では以下のように紹介しています。

「自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。」
(引用:「平成27年版 情報通信白書」総務省

このようなコンセプトを実現するために、IoTはデバイス、ネットワーク、アプリケーションの3つを構成要素としています。

IoTセンサーはデバイスの一種で、設備などに設置することで情報(データ)を取得します。取得された情報は、インターネットを介してアプリケーションに送信され、分析・管理・活用されます。

つまり、IoTセンサーはIoTの仕組みを実現する上で欠かせないものと言えるでしょう。

一般的なセンサーとの違いとは?

IoTセンサーと一般的なセンサーの違いはインターネット接続の有無です。

すでにご紹介したように、IoTセンサーは、IoT (Internet of Things – モノのインターネット) を実現するために、インターネットを介して取得情報を分析・管理・活用します。

つまり、インターネット接続されているセンサーはすべて、IoTセンサーと呼ぶことができるでしょう。

IoTセンサーの種類

IoTセンサーには様々な種類があり、それぞれに独自の機能や用途があります。以下の表は、IoTセンサーの種類と主な用途です。

センサー名 用途
加速度センサー
  • 自動車の車体制御
  • 産業用ロボットの制御
ジャイロセンサー
  • 航空機・戦・人工衛星の姿勢制御
  • ゲーム機やスマートフォンの操作
光センサー
  • 自動ドア
  • テレビリモコン
  • 果実の糖度測定
音センサー
  • 異音の検知
  • 音声認識
距離センサー
  • 自動運転の障害物認識
圧力センサー
  • 洗濯機
  • 体重計
  • 血圧計
  • ロボットハンド
温度センサー
  • 冷蔵庫やエアコンの管理
  • 工場設備の熱異常の検知
水位センサー
  • タンクの残量管理 ・自動排水
  • ダムや河川の水位測定

ここからは、各IoTセンサーの詳細について見ていきましょう。

加速度センサー

加速度センサーは、 速度の変化を計測し、対象の振動・動き、加えられた衝撃などを検出するセンサーです。「慣性センサー」「モーションセンサー」と表記されることもあります。

自動車の傾きや車体制御産業用ロボットの制御ほか、地震計や構造物の振動モニタリング、携帯機器・ゲーム機器などにも活用されています。

加速度センサーの種類一覧

加速度センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
周波数変化型 加速度をセンサ素子の共振周波数の変化で 計測する
  • 地震計
  • 構造物の振動モニタリング
静電容量型 周囲の温度変化の影響を受けにくく低加速度の計測に適している
  • 車体制御
  • 自動車の傾き検知
ピエゾ抵抗型 ピエゾ素子を利用しており低コスト
  • 携帯機器
  • ゲーム

ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、慣性力を利用して、対象の角度(傾き)を検知するセンサーです。加速度センサーでは検知できない「対象物の回転」を把握できる点が、大きな特徴となります。

デジカメ、スマートフォン、ゲーム機器、自動車の横滑り検知、ドローン・船舶・航空機・人工衛星などの姿勢制御、カーナビゲーションなどに活用されています。

ジャイロセンサーの種類一覧

ジャイロセンサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
静電容量方式 回転する振動子に応じた電圧を計測する
  • デジカメ
  • スマートフォン
  • ゲーム機
  • 自動車の横滑り検知
  • ドローン・船舶・航空機・人工衛星などの姿勢制御
  • カーナビゲーション
ピエゾ方式(圧電素子方式) ピエゾ抵抗・圧抵抗効果の抵抗値の変化を計測する
圧電効果方式 セラミックスや推奨に圧力をかけ発生した電荷を検出する

光センサー

光センサーは、光の有無や強さ(光量)が測定できるセンサーです。「照度センサー」と表記されることもあります。室内の照度測定、カメラの露出、体温測定、人の検知、自動ドア、テレビリモコン、果実の糖度測定などに活用されています。なお、光を電気信号に変換して、動画・画像データを取得するセンサーに「イメージセンサー」があります。

イメージセンサーはデジカメやビデオカメラ、製品検査などに活用されています。

光センサーの種類一覧

光センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
Cdsセル 光の照射によって半導体に電流が流れやすくなる
光電効果の原理を利用
  • 室内の照度測定
  • カメラの露出
紫外線センサー 日光に含まれる紫外線の量を測定
  • 日焼けのしやすさなどを測定
赤外線センサー 赤外線の吸収によって生じる抵抗値や発生する
電荷を検知
  • 体温測定
  • 人間の検知
  • 自動ドア

音センサー

音センサーは、音の振動からその大きさ・高さを計測することが可能なセンサーです。一般的にマイク(マイクロフォン)と呼ばれています

単に音の振動を検知するのみならず、音声認識技術による音声操作、音声のテキスト変換などに活用されています。

音センサーの種類一覧

音センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
動電型 高価で大型なものも多く、ダイナミックマイクとも呼ばれる
  • 音楽レコーディング
静電型 比較的、低周波特性に優れる
  • 低周波騒音計測
圧電型 性能が安定し小型で、コンデンサーマイクとも呼ばれる
  • 音の計測

距離センサー

距離センサーは、対象物に超音波や電波などを照射し、その反射から距離が測定できるセンサーです。

自動車の障害物検知や定速走行・車間距離制御装置(ACC)、地形の3D測定、見守りセンサー などに活用されています。

距離センサーの種類一覧

距離センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
超音波方式 検知できるのは10m程と短距離ながら安価に導入可能
  • ベルトコンベアの物体検出
  • 駐車時の障害物検知
LIdar方式 光が届きにくい状況には不向きながら、高い認識精度を誇る
  • 自動運転における前方認識
  • 地形の3D測定
ミリ波方式 電波が反射しづらい物質(発泡スチロール・ダンボール)などはあるものの、 環境の変化に強く、 一定以上の測定距離も実現
  • 定速走行・車間距離制御装置(ACC)
  • 見守りセンサー

圧力センサー

圧力センサーは、膜(ダイアフラム)の歪み具合を電気信号に変換し、液体や気体の圧力を計測するセンサーです。

洗濯機血圧計体重計などの身近なところから、ガスパイプラインの安全対策、工場の油圧管理などまで幅広く活用されています。

圧力センサーの種類一覧

圧力センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
ひずみゲージ式圧力センサー 歪みによって変化する電気抵抗から圧力を計測。
比較的大きな圧力測定向き
  • 工業分野の計測
圧電効果式圧力センサー 圧電素子(セラミック、水晶)に力を加えた際に生じる電荷から圧力を測定
  • 動的圧力の測定(爆風、弾道圧、乱流、エンジン燃焼など)
抵抗膜式(感圧式)圧力センサー 感圧インクへの圧力によって変化する抵抗力から圧力を測定
  • ATM
  • カーナビ
  • 自動券売機
  • タッチペン

温度センサー

温度センサーは、対象物や環境の温度を測定することが可能なセンサーです。対象に触れて計測する「接触式」と、 赤外線などを利用して対象に触れずに計測する「非接触式」に大別できます。

温度センサーは、冷蔵庫やエアコンの管理、機械の熱異常の検知などに活用されています。

温度センサーの種類一覧

温度センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
熱電対方式 2種類の金属の温度差から生じる電力を利用。
低コストで広範な温度測定ができる
  • 工業用温度センサー
測温抵抗体方式 金属に生じる電気抵抗をもとに、高精度に温度を測定
  • 工業用精密温度測定
放射温度計 非接触で、赤外線の強度から温度が測定できる
  • 超高温域の温度測定

水位センサー

水位センサーは電波や超音波の照射や、水圧などの測定により、水位を判断することができるセンサーです。

道路や河川の冠水測定、河川の氾濫予測、タンクの水位測定を通じた残量管理や自動排水などに活用されています。

水位センサーの種類一覧

水位センサーには以下のような種類があります。

種類 特徴 利用例
接触式 対象の液体に直接触れて水位を計測。フロート式、静電容量式、ガイドロープ式、圧力式、電極式などがある
  • 道路や河川の冠水測定
  • 河川の氾濫予測
  • タンクの水位測定
非接触式 対象の液体に直接触れないで水位を計測。超音波式、電波式がある
  • 接触式よりも設置場所を自由に選びたいシーン
  • 対象の液体に触れることができない/触れることが望ましくないシーン

【業界別】IoTセンサーの活用事例

IoTセンサーは様々な業界で、様々な形で活用されています。

以下「自動車業界、医療・健康・介護業界、農業・水産業界、製造業界、接客業界」におけるIoT導入の活用・導入事例を、それぞれ見ていきましょう。

自動車業界の導入・活用事例

  • 自動車の製造
    プレス、搬送・組立、溶接など、自動車製造の各場面でIoTが活用され、コスト削減・工程の効率化等に役立てられています。
  • 運転サポート技術
    車間距離や事故多発地帯での警告、駐車時の注意、運転状況のモニタリングや安全運転指導など、運転をサポートします。
  • 自動運転
    車内外のセンサーから、データを収集・送受信し、AI技術などと連携することで自動運転を実現します。

医療・健康・介護業界の導入・活用事例

  • スマートホスピタル
    ウェラブルデバイス、センサー、スマートフォンなどを活用し、患者の健康状態・医療履歴を一元管理します。
  • ウェラブルデバイス
    ウェラブルデバイスの内蔵センサーで、装着した人の健康データを取得し、保存。異常時の通知も可能です。
  • 介護を受ける方の見守り
    エアコン等に設置したセンサー、カメラ、GPSの情報などから、被介護者の様子を遠隔からでも確認できます。

農業・水産業界の導入・活用事例

  • 田畑の監視・データ取得
    田畑にセンサーなどを設置し、農作物を24時間遠隔から監視。 取得データから収穫量、品質、その他のリスクを予測します。
  • 無人運転トラクター
    無人のトラクター・自動収穫機・コンバインなどの導入により、労働のアシストや効率化を実現します。
  • 養殖魚の病気対策
    養殖する魚の栄養状態などのモニタリングデータを取得・蓄積し、病気などへの対策に役立てます。

製造業界の導入・活用事例

  • 鉄鋼業における製造過程の管理
    離型剤の流量、圧延ローラのギャップ量、鋼板のたるみ量、搬送速度等の確認・記録・自動調整にIoTが活用されています。
  • 効率的な生産体制の実現
    設置されたカメラ・センサーの取得データをAIが分析し、より効率的な生産が可能なラインを提案します。
  • 工場の遠隔モニタリング
    工場に設置されたセンサー・カメラを通じて、遠隔からのモニタリングや立会いを行うほか、防犯にも活用できます。

接客業界の導入・活用事例

  • 施設内の混雑度を可視化
    人感センサーにより施設内の各箇所の混雑具合を可視化。利用者へ知らせたり、適切なエレベーター制御を実施します。
  • 商店街の活性化
    イベント参加者の行動データを性別・年代別に収集・分析し、商店街の活性化を目指します。
  • ロボットによる接客
    ロボットが接客をするホテル、ロボットが食事を運ぶレストランなどが身近に登場しています。

工場内のシステムを一括管理するなら「実績班長」がおすすめ

製造業界の工場においても、様々な形で活用されるIoTセンサー。現在では比較的簡単に導入することができ、自動化や精密な保守・管理、データ取得などに役立っています。

例えば「実績班長」は、古い設備のIoT化も可能な製造実行システムで、すでに多くの企業に導入されています。

「実績班長」のようなシステムを導入し、工場内システムの一括管理を実施することで、時間的・金銭的損失を大幅に削減している例も少なくありません。

導入事例:新協技研株式会社

業種 製造業
サービス内容 自動車部品のプレス・溶接加工・金型作成、プラスチックメッキ・成形加工、金属メッキ加工
【導入前の課題】
  • 手書き日報が業務改善にうまく活用できていない
  • IoT導入には興味があるものの、自社規模で導入できるか心配
【導入後の効果】
  • メッキ層の温度データの収集を通じた予兆検知が可能に
  • 年間数百万円もの不良損失の削減
  • 現場が見える化し現場作業者の意識も変化
  • ボイラーの運転時間が年間120時間短縮

オートバイや自動車の部品製造をおこなう新協技研株式会社。「実績班長」で、無理なく現場にIoT導入したことにより、データ収集からグラフ化までを自動化。メッキ層の温度データの収集を通じた予兆検知が可能となり、ボイラー運転時間が年間120時間短縮し、年間数百万円もの不良損失の削減に成功しました。

まとめ

IoTは業界や分野を超えて、様々な利便性・利益を、私たちにもたらしています。そして、IoTセンサーは、取得した情報を双方向にやり取りすることで、IoTの仕組みの実現に寄与しています。製造現場でも、ネットワーク接続できる最新設備が次々に登場する反面、実際には古い設備を使い続けなくてはならないケースも少なくありません。

「実績班長」なら、新しい設備と古い設備をつなぐ、いわゆる「レトロフィットIoT」が簡単に実現可能です。導入コストを上回る恩恵が享受できるケースもあるので、IoT化に対しては前向きに検討する価値があると言えるでしょう。

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