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COLUMN実績班長のコラム

2023.05.15

段取り八分仕事二分の意味とは?基本や段取り力アップの方法を説明

ビジネスの現場で用いられる格言の1つである「段取り八分、仕事二分」。段取りの大切さを説く格言ですが、実は日本を代表する自動車メーカー「トヨタ」も、段取りを重視していることをご存知ですか。

今回は、すべてのビジネスパーソンが理解しておくべき、段取りの大切さ、段取りの基本、段取り力向上のためにできることを解説。段取り力向上に役立つシステム「実績班長」もご紹介します。

段取り八分仕事二分とは

「段取り八分、仕事二分」は「段取りが80%、仕事が20%」という意味です。

つまり「仕事は段取り八分で決まる(仕事の前の段取りで、仕事の8割は終わっている)」と説いており、仕事における下準備の重要さを表しています。

なお、段取りは、製造現場においては「作る製品を変更する際に生じる、機械・工具の取り替え、調整、掃除などの準備作業」を意味します。

それでは、仕事における段取りは、なぜそこまで重要なのでしょうか。以下「段取り八分、仕事二分」について、多角的に理解を深めていきましょう。

段取り力が大切な理由

段取り力を重視すべき理由は「段取りが仕事の効果・効率に直結しているから」です。

例えば、段取り不足のまま仕事を進めた場合、以下のような問題が発生する恐れがあります。

  • プロジェクト/納期に遅れが生じる
  • 業務で多くのムダが生じる
  • 業務上のトラブルが増える
  • 社内外の関係者に迷惑がかかる
  • 働き方改革が進まない
  • 業務が就業時間内に終わらない
  • 残業時間が減らせない

しっかり段取りを立てておけば、上記のような問題を防ぐことも期待できます

なお、段取り力を特に重視する企業の一例が、トヨタ自動車です。

トヨタ自動車は、書籍「トヨタ公式 ダンドリの教科書(ダイヤモンド社)」の中で「ホワイトカラーの仕事の進め方を変える取り組みの中で、段取り力重視の姿勢を打ち出した」「”結果がよければプロセスは問わない”という考え方を許さず、どのような状況でも質が高く、正しい結果を出し、安心して仕事ができるように、段取りを重視した」といった内容を紹介しています。

非合理で良い場面もある

「段取り八分、仕事二分」が、重要となるのは、主にビジネスの現場においてです。

プライベート、学術研究、ボランティア・サークル活動など、結果が全てではないシーンにおいては「段取り八分、仕事二分」という合理的な姿勢が、不適切となる可能性もあるためご注意ください。

段取り八分に関係する名言

「段取り八分、仕事二分」は下準備の重要性を説く格言ですが、以下のように似た意味を持つ名言・ことわざは少なくありません。

【段取り八分に関係する名言】
  • 木を切る時間が6時間与えられたら、斧を研ぐのに4時間使うだろう(エイブラハム・リンカーン)
  • 勝敗は戦う前に決まっている(孫子)
【段取り八分に関係することわざ】
  • 備えあれば憂いなし
  • 転ばぬ先の杖
  • 一年の計は元旦にあり
  • 網無くして淵にのぞむな

段取りの基本

仕事をやみくもに進めるべきではないのと同じく、段取りをつける際もポイントを押さえて行う必要があります。

ここからは、段取りの基本として押さえておきたい「4つのポイント」を見ていきましょう。

5W1Hを意識する

5W1Hは、漏れなく段取りする際に役立ちます。具体的には以下を意識して、必要な段取りを考えてください。

  • Who(だれ):メンバーを誰にするか、誰に協力を仰ぐか、誰に相談しておくか、外部から誰を呼ぶか
  • When(いつ): 下準備の期間はどのくらいか、いつ実施するか
  • Where(どこ): 社内で使えるスペースはどこか、会場はどこか
  • What(なに):実現に何が必要か
  • Why(なぜ):なぜこの企画が必要か(理由を上司/経営陣/クライアントなどに説明して、説得できるか)
  • How(どのように):プロジェクト・企画・イベント等の内容をどうするか、問題が起きた時どう対処するか

目的を明確にする

仕事の段取りをつける際は「仕事の目的」を明確にしておく必要があります。

これは「何のためにその仕事を行うか」を明確にするという意味で、しばしば、認識の相違が生まれる部分です。

例えば、新商品のアイデアを出す際「単に新しいアイデアを出す目的」という認識と「お客様の課題を新しい切り口から解決する目的」という認識では、出てくるアイデア・成果は全く違ったものになる可能性があります。

仕事の目的を明確にするためには、上司との意思疎通・社内の情報共有・クライアントへの綿密なヒアリングなどが必要です。

行動目標と状況目標を設定する

仕事の目的を明確にして初めて、目的に近づくための「目標」を設定することができます。目標とは、目的に近づく際の到達レベルを指します。

仕事の段取りでは以下のように「状況目標」「行動目標」を設定しましょう。

  • 状況目標
    仕事の本来の目的を意味します。
  • 行動目標
    状況目標を達成するために設定する、具体的な行動(すべきこと)を意味します。状況の進展に寄与しない行動目標は、省くことも検討してください。

過去の経験で活かせるものは使う

設定した行動目標(具体的な行動)については、過去の経験が活かせるケースが多いと考えられます。

自身に経験がなくても、同僚や先輩が過去に経験している可能性があるため、その経験を活かして効率的に業務を進めましょう。

過去の経験を生かしやすくするために「ナレッジの共有」「ベテラン社員のノウハウのマニュアル化」などを、社内で推進しておくのも良い方法です。

段取り力を上げるためにできること

段取り力を上げるためには「普段から段取りを意識すること」と併せて「業務の方法やツールを見直すこと」も有効です。

以下、段取り力を上げるための4つの方法を紹介します。

パターン化・マニュアル化をして業務を標準的にする

段取りは無数にあるわけではなく、業務ごとに、ある程度パターンが決まっているケースも多いです。

そのため多くの場合、必要な段取りを含めた「業務標準化」が可能です。

業務標準化が実現すると、段取りをゼロから考えなくて良いため、効率的に成果を生み出すことが期待できます。また、働く個々人の能力に左右されず、安定した業務品質が期待できる点もメリットです。

成果を上げるときの要点や優先順位を理解する

段取りに際してはまず「成果を上げる際の要点(成果に直結するポイント)」を明確化します。 そして、要点に対して重点的に段取り・準備することで、効率的に成果を上げることが期待できます。

複数の業務を抱える場合は、それぞれの優先順位(緊急性)を明確にし、全体のスケジュールを立てます。
優先順位(緊急性)の高い業務から、段取り・準備に取り組みましょう。

まんべんなく全ての段取りをすることが理想ですが、実際には割ける時間・リソースが限られるため、要点・優先順位を明確にすることが極めて大切です。

想像力や柔軟性を鍛える

段取り力を高めるためには、あらゆる状況を想定して準備する「想像力」、急な変更などにも対応できる「柔軟性」が必要です。

想像力や柔軟性を鍛えるためには、普段から、頭の中で様々な段取りをシミュレーションして業務に臨みましょう。

近年は、段取り力の強化に役立つ研修やセミナーも開催されているため、それらに参加するのも良い方法です。

ツールの導入

近年、業務効率化ツールが多く登場していますが、その中には段取りに使えるものも少なくありません。

スマートフォンのリマインダー機能やカレンダーの通知機能も活用できますが、専用ツールの方が多機能です。

例えば、タスク管理ツール・ToDo管理ツールほか、タスク(作業)を細分化してスケジュール管理が効率的に行える「WBS(Work Breakdown Structure)ツール」も重宝します。

段取り力を上げるためには実績班長の導入もおすすめ

効率よく円滑に段取りできない企業は、生産進捗や段取り状況の「見える化」や「業務標準化」を推進すると良いでしょう。

そこで役に立つのが、リアルタイムに情報を取得し、製造現場のあらゆる工程を見える化する「実績班長」です。

「実績班長」では段取実績のデータも取得でき、同じ工程の中で複数作業する際に、作業単位ごとの段取実績が収集できます。

さらに、作業者ごとの段取時間も収集できるため、段取時間に違いが生じる原因を分析し、生産性アップに役立てることが可能です。

実際に「実績班長」を導入し、段取りの最適化を実現しているケースも少なくありません。

導入事例:気高電機株式会社

業種 製造業
サービス内容 電機、機械製造
【導入前の課題】
  • 補助金を活用して「IoT利用による成形条件と品質データの見える化」を達成したい
  • 予算抑えて、射出成型工程管理システムを構築したい
【導入後の効果】
  • 生産進捗が見える化したことで、段取り準備が最適化
  • 稼働率のアップ
  • 休止時間の短縮

メイドインジャパン品質によるワンストップな「ものづくり」をおこなう気高電機株式会社。「実績班長」によるIoT導入で、生産進捗の見える化が実現したことで、次工程の生産準備の遅れを回避。最適な段取り準備が可能となったことで、休止時間(不稼働ロス)も減り、稼働率アップにつながりました。

まとめ

機械製造の現場では、多様な製品を少量ずつ生産する「多品種少量生産」が主流となっており、段取り作業が多く発生しています。

円滑に多様な製品を製造し、お客様のニーズに応える上で、段取り作業は極めて重要なため「段取り八分」は、的を射た表現と言えるでしょう。

もちろん、段取りが重要なのは製造業だけではありません。

現在はすべての業界で、働き方改革が進められ「効率的に成果を出すこと」が求められています。そして効率的に成果を出すためには、段取りは欠かせませんが、業務における段取りはある程度パターンが決まっているケースも多いため「マニュアル化(業務標準化)」しておくと効率的です。

「マニュアル化(業務標準化)」には「現場の見える化」が欠かせませんが「実績班長」なら、必要な機能のみをコンパクトに導入して、現場を見える化できます。

段取り力をアップして、業務改善を目指す方はぜひ「実績班長」の導入をご検討ください。

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