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COLUMN実績班長のコラム

2023.02.09

在庫管理を改善するメリット|効率よく管理する方法やおすすめのシステム・導入事例を紹介!

在庫は企業にとっては重要な資産であり、適切に管理することが求められます。在庫管理がうまくできていない場合、現場の負担が増え、顧客からの信頼も失う可能性が考えられるでしょう。そのような状態を未然に防ぐため、在庫管理方法を改善して効率化することが求められます。

この記事では、在庫管理の重要性と改善のメリット、効率化の方法について解説します。在庫管理の方法に悩まれている担当者の方は、ぜひ最後までご一読いただき参考にしてみてください。

在庫管理の重要性

在庫管理とは、企業が保有している資材や製品を必要に応じて使用できるよう、適切に管理しておくことを指します。在庫管理を実施する目的は、おもに次にあげる通りです。

  • 需要に合わせた在庫量を確保し、機会ロスを防ぐ
  • 在庫を保有することで、商品供給をスムーズにおこなう
  • 破損・生産遅延など、トラブル発生時の予備として確保する など

業態にもよりますが、在庫は企業が保有する資産の中で大きなウェイトを占めます。税法上では、在庫は現金と同様の扱いとなるため、決算時に余剰在庫を持っていると支払う税金が増えてしまいます。かといって、在庫量を減らしすぎると必要な時に商品が確保できず、販売機会を逃す要因となるのです。

在庫管理を適正におこなうことは、企業のキャッシュフローに直結する重要な業務といえるでしょう。

在庫管理を改善するメリット

在庫管理を改善することで、次にあげるようなさまざまなメリットが生み出されます。

【在庫管理を改善するメリット】
  • 生産性が向上する
  • ミスを削減できる
  • 欠品や余剰在庫を防止できる
  • 品質が安定する
  • 管理コストが削減できる
  • スペースを確保できる

それぞれにどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。

生産性が向上する

在庫場所と在庫量が把握できていれば、生産性の向上が可能です。

データ上の在庫と実在庫が合っていない場合、在庫の有無を目視で探したり、新たに商品を手配したりといった無駄な労力がかかります。また在庫場所の管理ができていなければ、必要な時にスムーズな商品手配ができず、機会損失につながるケースも想定されます。

適切に在庫が管理されていると、このような無駄なコストがかからずに生産性の向上が見込め、納期短縮につながり顧客満足度を高められるでしょう。

ミスを削減できる

在庫管理をシステマティックに実施することで、単純なミスを削減できます。

発注者の勘や目視に頼った受発注であると、人的なミスが生じる可能性は否めません。また、在庫管理を手書きで管理すれば、記入ミスや読み間違いが発生するケースも考えられます。

在庫をシステム上で管理するとヒューマンエラーが削減でき、受発注のミスを大幅に減らせるでしょう。

欠品や余剰在庫を防止できる

在庫管理を改善すれば、欠品や余剰在庫を減らせます。

欠品や余剰在庫は、会社のキャッシュフローに関わる大きな問題です。多くの在庫品を購入することで手元の現金が減り、期末には在庫を資産計上しなければならないため支払う税金は増えます。

また在庫が多すぎると、必要な商品が他の在庫で埋もれて入出庫に手間がかかり、人件費の増加にもつながります。かといって適正な在庫を持たなければ、販売時に欠品させて機会ロスを生んでしまうケースも大いに考えられるのです。

必要に応じた在庫数を決められた場所で管理することで、欠品や余剰在庫を防止できるでしょう。

品質が安定する

在庫を適正に管理して先入れ先出しを徹底することで、品質の安定が期待できます。

商品は在庫した瞬間から品質の劣化が始まり、とくに食品や飲料ではその傾向が顕著です。在庫期間が長期にわたると、経年劣化だけではなくほこりによる汚れや異物混入の可能性があり、商品価値の低下を招きます。また、納品時に古い在庫が混ざっていると、顧客からの信頼を失うことも想定されるでしょう。

在庫管理によるフレッシュローテーションを実施していれば、在庫の品質劣化を最低限に抑えられ、企業の信頼にも結びつけられます。

管理コストが削減できる

在庫管理をすることで、在庫全体にかかるコスト削減が可能です。

在庫場所と在庫量が適正であれば、入出庫や棚卸し作業などに必要以上の手間がかからず、人件費が抑えられます。また、余剰在庫や長期在庫を置いておくための倉庫保管料や光熱費、劣化した商品の管理費用や廃棄コストも、在庫を適正にすれば回避できます。

在庫管理をシステム化するとさらに人件費を抑えることが可能となり、コスト削減にかなり効果があるでしょう。

スペースを確保できる

在庫量が多くなると、どうしても広大なスペースが必要となり、他の在庫を圧迫することが考えられます。

1カ所に収まらなければ複数場所に在庫しなければならなくなり、作業効率の悪化が避けられません。在庫数を適正にしてそれらが収まるスペースを確保すれば、これまで在庫していた場所が空き、余剰スペースが生まれます。空いたスペースは他の在庫商品を置くスペースとして利用できますし、場合によっては作業場所や休憩スペースとしても活用可能です。

在庫管理により整理整頓を進めれば、無駄なスペースを減らして効率よく活用できます。

在庫管理を効率化する方法

在庫管理を効率的におこなうには、次にあげる方法をとるとうまく進められるでしょう。

【在庫管理を効率化する方法】
  • 5Sを徹底する
  • ロケーション管理をする
  • ABC分析をおこなう
  • 入出庫管理を見える化する
  • 在庫管理システムを導入する

5Sを徹底する

在庫管理を効率化するためには、最初に「5S」から取り組むとよいでしょう。5Sとは、次にあげる項目の頭文字から名付けられています。

【5Sとは】
  • 整理
    必要なものと不要なものを分別し、必要性のあるものだけを管理し不要なものは処分する。
  • 整頓
    必要なものを必要な時にすぐ取り出せるよう、在庫場所や数量を決めて情報共有する。
  • 清掃
    在庫場所を常にきれいな状態に保ち、商品に異常や変化があればすぐ発見できる状態にする。
  • 清潔
    整理・整頓・清潔を日常化し、きれいな状態を維持する。
  • しつけ
    清潔な状態を継続させる意識付けをし、従業員全員が共有できる環境作りをする。

5Sができていない現場では、いくら他の仕組みを整えてもうまく機能しない可能性が高まります。従業員が5Sに積極的に取り組むことで、在庫管理の基本が整うといっても差し支えないでしょう。

ロケーション管理をする

商品をロケーション管理することで、どこに何がどれだけあるか従業員全員で情報共有でき、作業効率が向上します。

在庫管理におけるロケーションとは、在庫場所における商品の置き場を表す住所といった意味合いです。ラック(棚)にロケーションを割り振って管理するのが一般的ではありますが、ラックに入らない大きなものや物量が多い場合は、パレットに乗せてフロアに直置きで管理するケースもあります。

在庫の保管ルールは、大きく分けて次の2種類です。

【2種類の在庫保管ルール】
  • 固定ロケーション
    商品ごとに決められたロケーションに保管する。在庫場所が決められているため、何がどこにあるか覚えやすい。一方、在庫がなくてもラックを開けておかなければならないため、スペースの無駄ができる。
  • フリーロケーション
    空いている任意の場所に商品を保管する。空きスペースが出ないため、スペースの有効活用が可能。ただしシステムで管理しないと、何がどこにあるかわからなくなる可能性が高い。

いずれの方法もメリットとデメリットがあるので、在庫する商品に合わせた方法を選ぶのが大切です。

ABC分析をおこなう

在庫管理を効率化するには、ABC分析を使うのも効果的です。ABC分析とは、売上金額・販売数・出荷数などから評価軸を選び、それぞれの傾向をみる分析手法です。

在庫管理では商品の出荷数を軸に考えると、どの程度の在庫量であれば適切かがわかります。さらに売上金額を併せて検討すれば、重点的に管理すればよい商品がどれなのか明確になります。

【ABC分析の一例】
商品 単価 出荷数 売上金額 売上構成比 ランク
1 10,000 200 2,000,000 57% A(重要度大)
2 8,000 80 640,000 18% B(重要度中)
3 5,000 90 450,000 13% B(重要度中)
4 5,000 50 250,000 7% C(重要度小)
5 2,000 50 100,000 3% C(重要度小)
6 1,000 30 3,000 1% C(重要度小)
7 2,000 5 10,000 0% C(重要度小)

ABC分析は、結果の80%は20%の要因によって作り出されるという「パレードの法則」を元にした考え方です。

ただし、ランク付けには明確な決まりがない上、季節や流行などの要因で日々変化します。需要の変動も加味して在庫管理することで、さらに精度が高まるでしょう。

入出庫管理を見える化する

入出庫管理とは、在庫場所における商品の動きを記録・保管する業務です。これらの動きを誰が見てもすぐわかるようにしておくのが「見える化」です。

入出庫管理の見える化によって欠品や余剰在庫が可視化され、原因の追及と問題解決が早期に図れます。具体的な見える化の方法としては、次の例があげられます。

【入出庫管理の方法】
  • Excel
    入出庫時に管理用のファイルに数量を記入して管理する。コストを抑えてデータ管理できるが、入力ミスや漏れなどのリスクがある
  • バーコード
    入出庫時にバーコードをスキャンして、データとして取り込んで管理する。手入力が必要ない分作業は手軽。しかし二重読み取りやスキャン忘れのリスクは回避できない
  • RFID
    ICタグを商品に貼付し、データを読み取って管理する。電波でタグを読み取るため、一括で作業できるのが大きなメリットとなる。ただし、システム導入のイニシャルコストがかかる。

入出庫を見える化しても、人的なミスをなくさなければ改善が難しくなります。5Sの徹底や作業のマニュアル化など、見える化を生かす環境構築が重要となるでしょう。

在庫管理システムを導入する

在庫管理システムとは、企業が保管する在庫の入出庫や在庫数などを一括で管理するシステムです。おもな機能については、次の通りです。

【在庫管理システムのおもな機能】
  • 入出庫管理
    数量・日時・過去の実績などの管理
  • 在庫管理
    入荷日・数量・ロケーションなどの管理・可視化
  • 棚卸管理
    実在庫とデータの照合・データ分析 など

システムを有効活用することで人の介在する作業が減り、ミスの低減や作業効率の大幅な改善が期待できます。

在庫情報がデータ管理できるため、入出庫の見える化も可能です。在庫管理システムにもさまざまな特徴があるので、自社の運用にあったものを見極めるのが大切です。

在庫管理システムは実績班長がおすすめ!

在庫管理は企業の資産管理でもあるため、できるだけ正確に管理しておきたいものです。しかしながら在庫管理に人手がかかると、人件費がかさんでしまいます。

人件費を抑えつつ在庫管理を効率化するには、在庫管理システムの導入がおすすめです。

「実績班長」を導入すれば、在庫管理における数々の問題点を解決できます。

【実績班長が在庫管理におすすめの理由】
  • 入出庫作業を効率化できる
  • 仕掛在庫が可視化できる
  • 棚卸作業の時間を短縮できる

上記おすすめの理由について、順に詳しく解説します。

入出庫作業を効率化できる

実績班長の導入によって、入出庫作業を効率化できます。

当日の入荷予定を実績班長に登録することで、入荷したその場でタブレットのデータを確認しながら置き場所を指示できるため、効率的な作業が可能です。また、完納・分納かをその場で判断できるため、調達部門と連携し欠品防止を実現できます。

出荷時は現品票をスキャナで読み取り、誤りがないか出荷計画をもとに確認して誤出荷を防止します。また現品票にRFIDを活用することで、ピッキング時と出荷時のダブルチェックが可能です。

これらによって誤出荷や欠品を大幅に減らせ、無駄な作業が発生しません。

仕掛在庫が可視化できる

製造業においては、製造途中の在庫管理は不可欠といえます。

実績班長では、在庫管理機能を使わなくても、製造の進捗を確認することで仕掛品の状況が確認可能です。在庫管理機能を使うことで、ロケーション(場所・棚)までの管理を実現し、工場全体での在庫が可視化されます。

他にもQRコードやRFID、タブレットを活用し、投入品の管理も可能です。

投入量をデータ連携することで投入量の間違いを防止し、計画されたものと現品の情報を突合することで投入誤りも防止します。さらに、製造数より自動で投入量を計算して、在庫数を調整することも可能です。

原材料から仕掛品、中間品まで一貫して管理できるのは、実績班長の強みだといえるでしょう。

棚卸作業の時間を短縮できる

棚卸の時間短縮も、実績班長導入の大きなメリットです。

ロケーション(場所・棚)が登録された在庫情報をもとに、RFIDを利用した一括スキャンで毎月の棚卸工数を大幅に削減します。RFIDを活用すると非接触で在庫情報がわかり、在庫場所が分散している商品や、棚の上部に保管している商品の棚卸も容易です。在庫の存在チェックを即時実施できるため、現場から戻された材料の状況も把握することが可能です。

棚卸による在庫数が正確に把握できることで在庫量の適正化も図れ、キャッシュフローの改善にもつなげられます。

実績班長の導入事例

実際に実績班長を導入して、効率的な在庫管理に取り組んだ事例をここで紹介します。

導入事例:高越鋼業株式会社

業種 製造業
サービス内容 ネジ類(タッピングネジ・各種アッセンブリーネジ) 及び ネジ検査装置の製造
【導入前の課題】
  • 中間品在庫を見える化する
  • 導入前から社員が参加してシステムを構築する
  • 長期滞留在庫の改善
【導入後の効果】
  • 導入半年後には決算用データとして使用できる精度のデータ取得が実現できた
  • 納期管理ができるようになり、物量が増えても対応可能となった
  • データ入力までオペレーションに組み込むことで、リアルタイムのデータ取得が可能となった

高越鋼業株式会社では、受注量の増加に伴い工場全体の物流量が増えた結果、中間品の在庫が管理できないほど積まれ、顧客からの問い合わせにすぐ対応できない状況となったそうです。

「なるべく簡単で現場作業者が受け入れやすいシステム」を重要視し、社員全員参加でプロジェクトを進めました。その中で、中間品在庫と併せて問題点として上がってきたのが「生産過多による長期滞留在庫」の問題です。

これらの問題を解決するために実績班長を導入した結果、中間品在庫の管理制度が格段に上がり、顧客からの問い合わせにもスムーズに対応できるようになったとのことです。

必要なものを必要なだけ作る体制が構築できたことで在庫量が適正化され、物流量が格段に増えたにもかかわらず滞留する在庫量が変わっていないというのも、システム導入における大きなメリットとなっています。

まとめ

在庫は企業にとっては大切な資産であるため、きっちりと管理することが非常に重要です。在庫管理を改善することで下記にあげるメリットが生まれ、ひいては企業のキャッシュフロー改善や信頼度の向上にも直結します。

  • 生産性が向上する
  • ミスを削減できる
  • 欠品や余剰在庫を防止できる
  • 品質が安定する
  • 管理コストが削減できる
  • スペースを確保できる

在庫管理を効率的に進めるには、自社の在庫管理方法を見直し、できる部分から徐々に改善していくとよいでしょう。在庫管理システムの導入によって、さらに効率的な在庫管理が進められます。ぜひ一度ご検討ください。

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